釣りを楽しんでいると、狙っていない魚が釣れることがあります。そのとき不用意に素手でつかんだら実は毒持ちの魚だった、なんてことがあります。
静岡・伊豆エリアの海では、毒トゲや毒針、鋭い歯を持つ危険な魚が意外と釣れます。知識がないと大けがにつながることも。この記事では、初心者が特に注意すべき魚を種類別に紹介します。

知らない魚は素手で触らないことが鉄則です。

フィッシュグリップやプライヤーを使って安全に対処しよう。
① アイゴ|サビキでも釣れる「要注意の常連」
堤防釣りで最も頻繁に遭遇する毒魚がアイゴです。サビキ釣りやウキ釣りに外道として混ざって釣れることが多く、初心者が最初に遭遇しやすい危険魚です。
危険部位:背ビレ・腹ビレ・尻ビレすべてのトゲに毒腺があります。刺されると数時間にわたって激痛が続き、患部が腫れ上がります。ヒレの毒部を除去すれば食べられる美味しい魚でもありますが、取り扱いには注意が必要。
見分け方:体は楕円形で、青みがかったシルバー。ヒレのトゲが鋭く立っているのが特徴。釣れたらトゲに触らないよう注意しましょう。

② ゴンズイ|黄色いライン入りの小型ナマズ
黒っぽい体に黄色いラインが入った、小型ナマズのような見た目の魚です。夜釣りでもよく釣れます。幼魚が「ゴンズイ玉」と呼ばれる密集した群れを作って泳ぐ姿もよく見られます。
危険部位:背ビレ1本・胸ビレ左右各1本のトゲに毒があります。刺されると火傷のような激しい痛みと腫れが生じます。
注意点:死んだあとも毒は残ります。海に捨てた死骸のトゲに刺される事故も報告されているため、毒魚だからといって釣れたゴンズイを堤防に放置しないようにしましょう。

③ ハオコゼ|小さいけれど侮れない
体長5〜10cmの小さな魚ですが、背ビレのトゲには強い毒があります。岩の上・海藻の中・テトラポッドの隙間など浅瀬に潜んでおり、穴釣りやサビキの外道として釣れることがあります。
危険部位:特に背ビレのトゲに注意。他にも尻ビレ・腹ビレのトゲなどにも毒腺があるため、基本的にハオコゼのヒレ全般には触れないようにしましょう。カサゴと見た目が似ていますが、頭に近い部分の背びれがとさかのように長く伸びているのが特徴です。

④ オニオコゼ|岩に化けた高級毒魚
岩そっくりに擬態した茶色い体が特徴。「オコゼ」と名のつく魚の中でも毒性が特に強く、背ビレのトゲに触れると非常に激しい痛みを伴います。一方で身は高級料理にも使われる美味な魚。伊豆の磯釣りや根魚狙いで釣れることがあります。釣れたらフィッシュグリップで扱いましょう。
危険部位:特に背ビレのトゲに毒があります。胸びれに毒を持っている種類もいますので、素手で触らないように注意しましょう。

⑤ ミノカサゴ|美しい見た目に毒が潜む
ひらひらとしたヒレが美しく、観賞魚としても有名な魚ですが、あのヒレの棘には毒があります。伊豆の磯や岩礁帯、堤防でも釣れることがあります。
危険部位:背ビレ・腹ビレ・尻ビレの棘。刺さると激痛と腫れが起き、発熱することも。死んだ後も毒は消えませんので、調理時にもヒレには触れないように注意しましょう。
注意点:美しい外見をしていて、アクアリウムやダイビングでも人気の魚でつい触りたくなりますが厳禁。胸ビレや尾ビレなど毒のない箇所もありますが、間違って他の毒のある個所を触れないように、調理用に持ち帰る際にはハサミ等を用いてヒレ全体をを除去するようにしましょう。

⑥ ウツボ|穴釣りで遭遇する凶暴な噛みつき魚
毒はありませんが、鋭い歯で深く噛みつく危険な魚です。魚自体の毒はありませんが、口内の雑菌が強く、噛まれると激しく化膿することがあるため、傷口の消毒と状態によっては病院の受診が必要です。伊豆の岩礁帯や磯に多く生息しており、穴釣りの仕掛けを岩穴に入れると釣れることがあります。
危険部位:牙のような鋭い歯。一度噛みつくと離さない習性があり、指を深く噛まれると腱まで達することも。
対処:針を外すときは必ずプライヤー等を使用しましょう。絶対にウツボの口に手を近づけないようにしましょう。

⑦ アカエイ|遠州灘・砂浜で特に注意
投げ釣り等の外道として釣れることがある、砂地に潜む大型のエイです。静岡内の多くの漁港や砂浜で釣れることがあり、毒魚の中でも特に危険度が高い一種です。
危険部位:尾の付け根にある長くて太い毒針。ノコギリ状のギザギザがついており、刺さると肉を切り裂きます。毒はタンパク質性で、患部が紫色に腫れ、血圧低下・発熱・呼吸困難を引き起こすこともあります。
注意点:砂に潜って体を隠しているため、浅瀬を歩くときに踏んでしまう事故が多発。サーフでの釣りや磯歩きの際も油断禁物です。釣れたら無理に釣り針を外そうとせずにラインをカットして海に返すのが最善です。

⑧ キタマクラ・フグ類|食べると命に関わる
フグの仲間で、堤防や磯でよく釣れる小型のフグが「キタマクラ」です。名前の由来は「食べると北枕(死)になる」ほど毒が強いことから。見た目がかわいいので子どもが触りたがることも多く要注意。触った手でそのまま目をこすったり、物を食べたりするのも危険なので、触ったら必ず手を洗うようにしましょう。(基本は触らない)
危険部位:皮膚・内臓にフグ毒(テトロドトキシン)を持ちます。口唇・指先のしびれから始まり、重篤な場合は死に至る猛毒。
鉄則:フグ類は絶対に自分でさばかない・食べない。調理には免許が必要です。釣れたらリリース一択。

毒魚対策に!堤防釣りに必ず持っていくべき安全グッズ2選
1フィッシュグリップ(トング型)
フィッシュグリップは様々なタイプがありますが、小さい魚でも容易につかむことができるトング型がベストです。
2プライヤー(ロングノーズタイプ)
ウツボやエイの鋭い針から手を遠ざけられるよう、先端が長いものが安全に使用できるのでおすすめです。
刺された・噛まれたときの応急処置
毒トゲに刺された場合(アイゴ・ゴンズイ・ハオコゼ・オニオコゼ・ミノカサゴ)
- 残っているトゲを取り除く
- 傷口を流水でよく洗い流す
- 45℃以上の熱めのお湯に患部を浸ける(毒タンパクが熱で分解され痛みが和らぐ)
- 症状が続く場合は病院へ
アカエイの毒針に刺された場合
- 毒針が残っていれば慎重に除去
→アカエイの棘は「かえし(ギザギザ)」がついており、素人が下手に抜こうとすると肉をさらに切り裂き、大出血や症状の悪化を招く危険があります。刺さった棘が深く抜けない場合は無理に抜こうとせず、そのまま固定して病院へ
- 出血がひどい場合は止血する
- 患部を熱めのお湯に浸ける
- 必ず病院へ(症状が重くなることがある)
まとめ:初心者が守るべき3つのルール
- 見慣れない魚は素手で触らない——フィッシュグリップとプライヤーは必携
- リリースするときはハリスをカット——無理に針を外そうとしない
- フグ類は食べない——命に関わるので必ずリリースしましょう。
毒魚の存在を知っておくだけで、釣りの安全度は大きく上がります。「釣れた!」の興奮のまま素手でつかまず、まず魚の種類を確認する習慣をつけましょう。安全に釣りを楽しんでください!


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